●ドクダミには、それにふさわしい漢字が見当たらない
●日本の三大民間薬の一つ(ドクダミ、センブリ、ゲンノショウコ)
タイトルに「蕺菜(シュウサイ)」とありますが、これは中国語をそのまま載せています。この「蕺菜」で検索をすると、ヒットするのは主に中国語のサイトです。それほど「蕺」という字は日本では使われません。10世紀頃の日本では「ドクダミ」は「之布岐(シブキ)」と呼ばれていたそうです。「シブキ」は「渋い」という意味があるといわれています。名前が変わってくるのは江戸の後期あたりで、書物に「ドクダミ」と出てきます。名前には意味があり、それは漢字に変換できます。ところが「ドクダミ」の「毒」は分かりますが、「ダミ」が依然として正体不明のようです。
一例をあげると「毒矯め」、「毒痛み」、「毒溜め」、また「毒駄目」というのもあります。説明しますと最初の「矯め」は曲がったものを真っ直ぐにするの意味があり、転じて正常な状態に戻す=病を治すになります。「痛み」は毒や痛みに効くということ。「溜め」は「臭い匂いは毒を溜め込んでいるから」で、「駄目」は毒があるので危険だということでしょう。どれを見ても決定打に欠けるような気がしますが、今のところ「毒矯め」と「毒痛み」が有力候補に上がっています。これは「ドクダミ」の薬効が知られるようになったからだと思います。上記の名前の他には、「蕺菜」の発音から「十薬(ジュウヤク)」と呼ぶ場合もあり、これは「ドクダミ」の漢方薬名になっています。「十の病に効く薬」という意味ですが、さすがに言い過ぎです。
ちなみに中国では「魚鱗草」「魚腥草」と呼び、「腥」は生臭いという意味で、いずれも魚のような生臭い匂いのする草と表現してします。東南アジアでは「魚の野菜」で、英語だと「Fish mint」と呼ぶ場合もあるそうです。どうやら世界共通で「臭い=生臭い=魚臭い」というイメージがあるようです。
ドクダミ/ドクダミ科/ドクダミ属
写真:zassouneko
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雑草の味方