●葉はハートを3つ並べた形
●片喰は「片一方を食べたの意味」
10世紀頃の書物に「加多波美」「加太波美」(カタハミ)とあります。「食む(はむ)」は「食べる」の古語で、やわらかく上品に表現したものです。「飯を食う」と「ご飯を食べる」の違いといったところでしょうか。「食」と「喰」は意味は同じですが、「喰」は食べることを強調するために日本で作られた漢字です。武士が主君に仕えて給料をもらうことは「禄を食む」ですが、牛馬が草を食べるのは「草を喰む」になります。
「片喰(食)」は「片方を食べる」の意味ですが、一体何を食べたのでしょうか。答えは葉っぱの半分を食べたのです。ところが実際の葉は食べられていませんし、そもそも誰が食べたのでしょうか。何か神話や故事があるのだろうと思われるでしょうが、それもありません。
「カタバミ」は「オジギソウ」のような睡眠(就眠)運動を行います。刺激や温度、日光などの影響で、ハートの垂直線を谷折りにして葉を閉じることがあります。半分を切り取ってしまったかのような見える形になる場合もあるのです。例えるなら「開いていた本を閉じるように」といったところでしょうか。いつの間にか葉の半分が無くなっているように見えるので、それを「片方を食べられた」と表現したのです。
写真は「オッタチカタバミ」です。普通の「カタバミ」と違って上に伸びていきます。写真を見れば、葉を閉じる様子がお分かりになると思います。
カタバミ/カタバミ科/カタバミ属
写真:zassouneko
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雑草の味方