2015年11月29日日曜日

タンポポ(蒲公英)

●「蒲公英」を「タンポポ」と読むのはこじつけ
●昔は葉を食べ、今は根をコーヒーに

今は普通に「タンポポ」と呼んでいますが10世紀頃の日本では「布知奈、多奈」または「不知奈、太奈」と呼ばれていました。漢字自体にさほど意味はなく、発音を表していると考えてください。両者とも「フチナ、タナ」と読みます。「フチ、タ」の意味はわかりませんでしたが、「ナ」は「菜」でしょう。「〜ナ」とつく植物はたくさんあり(アブラナ、ナズナ、カラシナ等)、昔はいずれも食用としていました。そもそも「蒲公英」は昔の中国からきた言葉です。つまり「蒲公英と書いてあったら、それはフチナのことである」が「蒲公英をフチナと呼ぶ」に変化したのです。ちょっと強引です。

「フチナ」が「タンポポ」になったのは江戸時代からで、そのきっかけは子供の遊びからきているという説があります。数センチに切ったタンポポの茎の両端に1センチ程の切れ込みをいくつか入れると、その部分が丸まってきます。その両端が丸まった形が「鼓」に似ているのです。そのことからタンポポを「ツヅミグサ(鼓草)」と呼ぶこともあったそうです。つまり「タン、ポ、ポ」というのは鼓を打つ際の擬音を表しているわけです。

タンポポの英名のdandelionはフランス語のdent(歯) de(of) lion(ライオン)からきています。意味は「ライオンの歯」で、葉っぱの形を表しています。上の写真を見ていただければ一目瞭然です。dentは「デンタルクリニック(歯医者)」や「デンターライオン(歯磨き)」でお馴染みだと思います。

写真は「西洋タンポポ」です。外国の「タンポポ」はライオンの葉ですが、日本のものは違います。「西洋タンポポ」は繁殖力が強いので日本のタンポポはいずれ絶滅するかもしれません。
セイヨウタンポポ/キク科/タンポポ属
写真:zassouneko

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